既存SC前年同月比売上高伸長率 :+2.3%
春夏衣料の不振を他業種で補い、前年を上回る
全体概況
- 4月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+2.3%となった。
- 月前半まで気温が低かったことで春夏衣料が苦戦したが、雑貨や飲食などの他業種が売上げを支え、前年を上回った。
- 立地別にみると、中心地域は総合で前年同月比伸長率+3.7%、周辺地域は同+1.7%となった。中心地域はリニューアルやテナント入れ替え効果があったSCのほか、国内外旅行客の来館があったSCが好調だった。周辺地域はインバウンド客や館周辺でのイベント参加客の来館があったSCが好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」は気温が上がらず春夏衣料が苦戦したことで、前年割れしたSCが多かった。「雑貨、その他物販」は新生活の駆け込み需要でインテリア雑貨が好調だったほか、キャラクター雑貨や化粧品も好調だった。「飲食」は館周辺のイベント参加客や家族連れの来館で、とくに土日が好調だった。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+4.2%となった。リニューアルやテナント入れ替え効果があったSCのほか、インバウンド客の来館があったSCが好調だった。なかでも繁華街や地下街のSCが好調だった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+2.7%となった。駅ビルや高架下など、国内外旅行客の来館が多い駅周辺のSCが好調だった。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+1.7%となった。インバウンド客や館周辺でのイベント参加客の来館があったSCが好調だった。
[地域別]
- 関東は総合で前年同月比伸長率+2.4%となった。春夏衣料は月前半に気温が低かったことで苦戦したが、館周辺でのイベント開催や気温が上がった月後半にポイントアップなどの販促施策を行ったことが売上げにつながった。
- 中部は総合で前年同月比伸長率+3.5%、中心地域は同+7.1%となった。中心地域では日帰り旅行客などの来館が多かった駅ビルがとくに好調だった。また、テナント入れ替えによる新店オープンが来館増につながったSCもあった。
- 近畿は総合で前年同月比伸長率+1.9%となった。寒暖差が激しく春夏衣料が苦戦した一方で、インバウンド客の来館や館イベントの開催により、飲食が売上げを牽引したSCが多かった。4月13日に大阪・関西万博が開幕したことで、大阪市内のSCではアジア圏に加え欧米圏のインバウンド客の来館が増え、免税売上につながっているとの声が聞かれた。
- 九州・沖縄は総合で前年同月比伸長率+4.7%となり、他地域と比較して最も伸長率が高かった。国内外旅行客の来館が売上増につながった。また、館周辺でイベント開催があったSCでは、とくに飲食、土産が好調だった。
[業種別]
- 「ファッション」は、気温が上がらず春夏衣料が苦戦したことで前年割れしたSCが多かったが、月後半に気温が上昇した地域では、Tシャツやカットソー、サンダルなどが稼働した。
- 「雑貨、その他物販」は、新生活の駆け込み需要でインテリア雑貨が好調だったほか、キャラクター雑貨や化粧品も好調だった。また、月後半に気温が上昇した地域では、日傘などの紫外線対策アイテム、冷感アイテムも稼働した。
- 「飲食」は、館周辺のイベント参加客や家族連れの来館で、とくに土日が好調だった。大都市ではインバウンド客の飲食利用が目立ったほか、駅ビルでは国内外旅行客が売上げに寄与した。