業務での“生成AI”活用経験者は75%、日常利用は7割
一方で「業務フローへの恒常的な組み込み」は3.4%にとどまる
生成AIの登場により、ビジネスの場でもAI活用が急速に普及しつつあります。ショッピングセンター(以下、SC)業界においても、マーケティングやリーシング、安全対策など現場での活用事例のほか、全社でAI活用を進めるためのサポート体制や仕組みづくりなどに取り組む企業も増えてきています。
一般社団法人日本ショッピングセンター協会(会長:菰田 正信)が発行する月刊SC専門誌『SC JAPAN TODAY(エスシー・ジャパン・トゥデイ)』では、こうした生成AI活用の実態を把握するため、商業不動産のDXを支援する株式会社COUNTERWORKS(代表取締役CEO:三瓶 直樹)と共同で、全国のSC等商業施設事業者の従業員95社156人を対象に『商業施設事業者における業務での生成AI活用の実態調査』を実施しました。
調査概要
調査名称 : 商業施設事業者における業務での生成AI活用の実態調査
調査期間 : 2025年9月26日㈮~10月9日㈭
有効回答数 : 95社156人
調査対象 : 全国のSC等商業施設事業者の従業員
調査結果サマリー
- 4人に3人が業務での利用経験あり。 そのうち日常利用は約7割。
- 活用の定着度は「必要時のみ活用」が約8割、 「業務フローに恒常に組み込む」はわずか3.4%にとどまる。
- 生産性向上の実感は88%。文章の作成・要約・構成整理など、情報を整える業務で効果が顕著。
- 主な課題・障壁は「誤った出力(ハルシネーション)」(54.9%)が最も多く、次いで「セキュリティ不安」(48.7%)、「社内ルール不在」(23.9%)。
- 主に使われているツールは第1位「ChatGPT」(73.5%)、第2位「Microsoft Copilot」(45.3%)、第3位「Gemini」(41.9%)。
- 未利用者は25%。 今後の活用設計では、用途の線引きや研修・勉強会など“安全と品質”の運用設計が鍵。
結果概要
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100にはなりません。
利用経験と頻度の実態
調査では、商業施設の運営や販促、リーシング担当者のうち、生成AIを業務で利用したことがある人が75.0%に上りました。そのうち「ほぼ毎日」または「週に数回」利用している人は計71.8%に上り、生成AIが一部のITリテラシー層に限らず、幅広い現場実務に浸透しつつあることがわかりました。とくに資料作成や議事録の整形など、日常的な文書業務において活用の広がりがみられます。


定着状況(業務フローへの組み込み)
一方で、活用の定着度に関しては、「必要なときだけ使っている」と回答した人が80.2%を占め、「業務フローに恒常的に組み込んでいる」と答えたのはわずか3.4%にとどまりました。多くの担当者が個人の判断で柔軟に活用している段階であり、組織として生成AIを標準プロセスに組み込む仕組みづくりはこれからといえそうです。

効果実感(生産性の向上)
生成AIの活用効果については、生産性を「とても感じた」「まあまあ感じた」と回答した人が合計で88.0%に達しました。具体的には、メール、議事録、営業資料などにおいて、内容の要約や構成の整理、表現の調整といった“情報を整える”用途が中心です。生成AIが文案の骨格を提示し、担当者が内容を精緻化することで、仕上げまでのスピードを高める新しいワークフローが定着しつつある様子がうかがえます。


主な利用ツール
利用しているツールでは、「ChatGPT」(73.5%)が最多で、次いで「Microsoft Copilot」(45.3%)、「Gemini」(41.9%)が続きました。いずれも汎用型の生成AIが中心であり、社内ナレッジを活用した専用AIや、社内システムと連動する自動ワークフローなどの高度な利用はまだ少数にとどまっています。現状では、使いやすさやコスト面から、個々の担当者が既存ツールを試験的に取り入れている段階といえそうです。

活用の障壁
活用を進める上での課題としては、「誤った出力(ハルシネーション)」が54.9%が最多で、次いで「情報漏えいなどのセキュリティ不安」(48.7%)、「社内ルールやガイドラインの不在」(23.9%)が続きました。固有名詞や日付の誤り、法的文言の誤解釈といった“品質面の不安”と、社外情報を扱う上での“安全面の懸念”の両方が、現場での慎重な姿勢につながっているようです。

未利用者の現状と支援ニーズ
今回の調査では、生成AIをまだ業務で使ったことがない未利用者も25%存在しました。未利用の理由としては、「使い方がわからない/教育されてない」「セキュリティリスク・情報漏えいが心配」が上位を占めています。一方で、未利用層のうち6割超が「業務別の使い方事例紹介」や「研修や勉強会」など、導入支援を求めていることも明らかになりました。この結果から、ツール理解よりも「どう安全に使うか」を学ぶ機会の不足が障壁になっていることがわかります。今後は、“安心して試せる環境”を整えることが利用拡大の第一歩となりそうです。


『SC JAPAN TODAY』 2025年12月号では、AI活用の最新事例をご紹介!
『SC JAPAN TODAY』 2025年12月号(12月1日発行)の特集では、本アンケート調査結果のほか、SCディベロッパーの具体的な取り組み事例をご紹介しています。
ぜひご覧ください。
協会会員の方は、最新号のデジタル版を無料でお読みいただけます。
※2025年12月号の公開期間:2025年12月1日~12月31日
※閲覧には協会会員企業ごとのID・パスワードが必要です。
■SC JAPAN TODAYについて
『JAPAN COUNCIL OF SHOPPING CENTER』として1973年7月に創刊以来、わが国唯一のSC専門誌として、多くのSC業界関係者の方に愛読いただいております。話題の国内外SC及び専門店等をカラーで紹介するほか、SC業界の潮流や課題、SC実務などを取り上げた特集、SC販売統計等各種調査報告、SC法律問題といった経営から実務に直結した情報が満載です。2025年3月には誌面を一新し、より読みやすく、わかりやすくSC業界のいまをお伝えしています。
■日本ショッピングセンター協会について
商号 :一般社団法人日本ショッピングセンター協会
所在地 :東京都文京区後楽1丁目4番14号 後楽森ビル15階
代表 :会長 菰田 正信
URL :https://www.jcsc.or.jp
■カウンターワークスについて
商号 :株式会社COUNTERWORKS
所在地 :東京都港区六本木1丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル9階
代表 :代表取締役CEO 三瓶 直樹
事業内容 :「ショップカウンター」「ショップカウンター エンタープライズ」の企画・開発・運営
資本金 :6.54億円(資本準備金を含む)
URL :https://counterworks.co.jp




