ショッピングセンター(SC)で働きませんか

2022/05/11 更新 人材育成委員会×人材確保対策特別委員会 コラボ企画 人材不足解消セミナー開催報告

コロナ下でも経済活動が平常化に向けて少しずつ動いているなか、小売店や飲食店などの人手不足感が高まっている。

そこで、2月3日に人材育成委員会と人材確保対策特別委員会のコラボ企画として、ショップスタッフの人材確保、人手不足解消につながるケーススタディのセミナーを開催した(アーカイブ配信4月19日~26日)。

 

<開催概要>

○開催日時 : 2022年2月3日(木) 10:30~12:00 / WEB開催

○セミナー名: 人手不足解消セミナー~実際のケーススタディから学び、お悩み解消!!~

○プログラム:

【ケーススタディ①】(10:30~11:10)

ルミネの人材マッチングサービス『ルミナーズ』

・「ルミナーズ」導入の背景、目的
・導入後の状況
・今後の課題等

㈱ルミネ 常務取締役 総合企画本部長 阿部 純 氏(人材確保対策特別委員会委員)

 

【ケーススタディ②】(11:20~12:00)

「店長の時間が取れない、面接もできない!」 採用支援企業を活用した人材採用

・面接時間を調整して、店長の空き時間を有効活用
・面接を動画で実施
・採用支援企業活用のポイント

㈱グルメ杵屋レストラン 営業総務部 部長 大西 憲臣 氏

 

セミナー概要

 

ケーススタディ①
『ルミネの人材マッチングサービス「ルミナーズ」』

本講座では、ルミネが取り組んでいる人材マッチングサービス「ルミナーズ」について紹介する。

 

ルミナーズ発案の背景・経緯

ルミナーズの発案者は、同社の事業推進部・大出氏。
ルミネ店舗勤務を経て、本社営業部で同社の接客ロールプレイングコンテストである「ルミネスト大会」や、ショップスタッフ向け研修などを担当した後、社長秘書在任中の2018年にルミナーズを発案した。

大出氏は、出店者オーナーと接するなかで人手不足に対する強い危機感を抱き、また人口減少社会が進展するなか、人手不足問題に強い興味を持ったことが、この企画の立ち上げにつながった。
なお、人手不足の社会的背景として最も大きいのが生産年齢人口の減少であり、日本は世界最速で高齢化社会を迎えると言われている。

ルミネは20~30代の働く女性をターゲットとし、ターゲット人口は2050年までに相当数減少すると想定され、人材のみならず生産年齢人口の減少によるさまざまな問題を抱えている。
また、ルミネ店舗のショップスタッフは年間で約30%が入れ替わっている。具体的には、スタッフ全体約3万人のうち1年間で約1万人が入れ替わっていることになる。

大出氏はショップスタッフから働き方について直接悩みを聴くこともあって、同社としてこれらの問題を解決できないかと考えた。

ルミナーズ事業化までの経緯としては、2018年に社内の新規事業創出プロジェクトにエントリーし、2019年からビジネスプランを構築、実証実験を経て2020年3月に社内で事業化が承認された。

大出氏は2020年7月に現部署に異動し、2021年4月に有料職業紹介事業者の認可を受けて、事業化に至った。

事業化における課題と強み

ルミネ社内における課題は大きく3つあった。

1つ目が「離れていくスタッフの多さ」である。
スタッフ全員に入店前研修を受講していただいても、前述のとおり年間で約30%のスタッフが入れ替わっており、いつまでも研修を続けている状況にある。

2つ目が「ショップスタッフとしての働き方の悩み」が顕在化している点。
これはライフステージの変化が影響しており、結婚や出産などで今までの働き方を続けるのが難しくなる人が増えてきている。

3つ目が「ショップスタッフの人手不足」が慢性化している点である。
少ないメンバーで店舗を運営しようとする結果、残業が増えることがスタッフの大きな負担となっている。

これらの状況が長く続いており、社内の課題として認識されていた。

一方で、ルミネの強みとしては、入店前研修に加え、さまざまなショップスタッフ研修を通じた、しっかりとしたサポート体制がある。

また2005年から開催しているルミネスト大会など、ショップスタッフの研鑽を重視し、そのための場を提供している。
なお、ルミネスト大会は新型コロナウイルスの影響で2020年は開催を見送ったが、2021年は認定制度というかたちで、大会と同様にゴールド、シルバー、ブロンズの3段階での認定を行った。

そして、スタッフとのコミュニケーション強化、スタッフ間のコミュニティ形成にも力を入れている。

出店者・スタッフそれぞれの課題と解消方法

続いて、出店者やショップスタッフが抱えている課題と、その解消方法について述べる。

出店者はショップスタッフの人手不足が課題であり、とりわけ経験があってフルタイムで働ける人材を採用したいと考えている。しかし現実はなかなか採用が難しい。
一方で、ショップスタッフはライフスタイルの変化にともない、フルタイムでの勤務が難しい。
またはフルタイム可でも週の勤務日数は少なくしたい人などが増えている。
しかしながら、接客の仕事自体は好きな人が多いのである。

つまり、出店者とショップスタッフの間でニーズのズレが生じており、これを解消する必要がある。

そこで、多様な働き方をしたいスタッフをプールし、当社が間に入って出店者とマッチングする仕組みを作ろうとしたのがルミナーズである。

ルミナーズ実現に向けた実証実験

実現に向けて実証実験を行い、ルミネに多く出店するアパレル企業を対象として、出店者とショップスタッフ双方がどこに価値を感じてもらえるのかを仮説を立てて、検証した。

その結果、出店者への提供価値としては、ルミネに経験のあるスタッフには一から教える必要がなく、採用や教育コストを低減できる点が挙げられる。
また、経験者だから業務への信頼度が高いという点である。スキルの高いスタッフであれば、他のスタッフも休みが取れ、店舗として効率良く運用できる。

一方でショップスタッフへの提供価値は、短時間で働ける点や自分のキャリアが生かせる点、ルミネのファッション店舗で働ける点が挙げられる。

ルミナーズへの評価は10点満点中で平均9点となり、事業化に向けて手応えのある結果となった。

ルミナーズの仕組みと支援

具体的な仕組みとしては、ルミネで勤務経験があるスタッフとルミネ出店者をルミナーズがつなぎ、短日や短時間の仕事でマッチングさせるサービスである(雇用契約はスタッフと出店者間、ルミネは出店者から仲介手数料をいただく)。

スタッフはルミナーズにスマホなどでアクセスし、日時や勤務地など条件を絞って検索が可能。自身のプロフィール(経歴など)を登録する。
また、ルミナーズを使って働いた回数をポイント制にし、出店者側の判断指標として活用できるものにした。

サポート側であるルミネとしては、経験者とはいえスタッフが初めてのブランド・店舗で働くケースもあるため、動画や図による各種マニュアルを整備。
1日単位であっても事前に知識を得て十分なパフォーマンスを発揮してもらえるよう、支援に努めている。
また、出店者に対しても、お客様の反応などをまとめたレポート作成・提供して、今後のマーケティングに活用していただいている。

これらの仕組みと運用に対しては、スタッフや出店者から高く評価する声が多く寄せられている。

一方でルミネ社内でも、人材確保の難しいDtoCブランドの出店ハードルを下げる、また初出店ブランドに安定して運営してもらうための支援として、ルミナーズが活用されている。

今後の課題・展望

運用を通じて明らかになったルミナーズの課題として、1つ目は登録スタッフ数の更なる確保がある。

現在の登録者は70名を超えたところであり、年間約1万人が入れ替わるなかで、このサービスが全員に浸透しているわけではない。
ルミネに愛着を持っている方に1人でも多く登録してもらうべく、どのようなアプローチが有効なのか模索している。

2つ目がスタッフの育成方法。スタッフの経験値には差があり、さらにファッション経験者が飲食店など他業務で働く場合もあるので、効果的な育成に向け検討が必要である。

3つ目は、ポップアップスペースなどの出店のスキーム提案への活用である。
例えば、DtoCブランドや地方自治体向けに、スタッフ確保ができるスキームとして今後積極的に提案して展開して行きたい。

以上

 

 

 

ケーススタディ②
『「店長の時間が取れない、面接もできない!」 採用支援企業を活用した人材採用』

グルメ杵屋は、うどん・そば業態を中心に展開するレストランチェーンである。

フランチャイズを含め全国に330店舗展開し、グループ企業に機内食、冷凍食品、米の卸売り、鉄道事業等がある。

大西氏はCS(顧客満足)、採用、教育等の業務を担当しており、本講座では、グルメ杵屋が人材確保に向けてどのような取り組みを行っているかについて述べる。

応募~面接~採用までの現状

グルメ杵屋の採用における応募数・採用数などの現状としては、まず電話での応募から面接予約に至る割合が45%、面接予約から実際の面接に至るまでが68%、面接実施から採用に至る割合が47%となっている。
つまり応募総数からみると、全体の14%しか採用できていないこととなる。

さらに、採用に至るまで非常に時間もかかっており、その間に応募者が減ってしまうことから、採用までの時間短縮が必須の課題であった。

以前の採用活動では、周辺の他社の採用状況や時間給調査、求人方法・効果予測、求人原稿作成、面接調整や効果検証等に至るまで、全てを店長が実施していた。

こうした状況を踏まえ、「採用支援企業」を活用し、面接以外の全てを委託(店長は応募者と電話して面接調整・面接するのみ)することとした。

しかし、採用支援企業の活用においても、次のような課題が明らかになった。

  1. 営業ピーク時や担当者不在時の面接予約ができない。
  2. 応募者の面接予約が多い20時以降には店舗に連絡がつながりづらい。
  3. 今すぐに働きたいと言う応募者に対してすぐに面接ができない。
  4. 双方の面接日の都合がつかずキャンセルが多発。
  5. 応募の連絡がいつあるのか分からず、募集期間は店長が店舗で待機している必要がある。
  6. 応募者の希望条件等を面接日まで聞き取りできない。
  7. 応募者が仕事内容・店舗の雰囲気等をすぐに知りたいと言う希望に応えられない。
  8. 店舗休業日や休業時間は面接できない。
課題に対する改善策と今後

前述の課題・問題点を踏まえ、以下の改善施策を実施した。

  1. 面接希望スケジュール設定
    応募者が店舗へ電話することなく、スマホなどから24時間体制で面接予約が可能。(事前に店長が面接可能日・時間を設定しておく)
  2. 動画自動面接機能設定
    面接で聞きたい質問を登録しておき、応募者がスマホから回答内容を録画。
    別途動画を店長が確認し、表情や受け答えの内容から採用合否を決める事が可能。
    応募者としてもすぐに面接ができる安心感があり、他社への流出防止につながる。
  3. 仕事内容やスタッフの紹介動画作成
    撮影した動画をYoutubeにアップ。
    制服が好みに合うかどうか、店舗の雰囲気がどうかなどを応募者が確認できる。
    とくに若年層は動画の関心が非常に高く、閲覧数が高い。
  4. 面接前アンケート機能設定
    応募者の希望条件と、店舗が設定した希望条件とがマッチする方のみと面接する仕組み。
    双方にとって不要な面接時間を削減できる。
  5. AIによる自動面接機能(現在作成中)
    応募者の表情や言葉遣い、質問への回答に対して予め店長が合格条件を設定。
    直接面接しなくとも、AIが合否を判断する仕組みを構築中である。

1~4の改善策を導入した結果、応募数における採用率は14%→「8%」までアップした。

グルメ杵屋では、採用活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)化として取り組みの更なる強化を図っていく。

また、新たな取り組みとして、人材不足解消に向け「配膳ロボットの導入」「モバイルオーダー(店内・店外)の導入」もテスト運用中である。

以上

 

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