取組事例・News

【取組事例】NISHIGINZAによる売上報告項目削減に向けての取組み
(株式会社 西銀座デパート)

銀座四丁目の数寄屋橋交差点前に位置する商業施設「NISHIGINZA」を運営する株式会社西銀座デパートでは、テナント・ディベロッパー双方の業務効率化を目的に、売上報告項目の大幅な見直しを実施。2025年4月から新ルールでの運用を開始した。
従来、最大27項目に及んでいた報告内容を最大7項目まで削減し、売上報告や精査業務の効率化を実現。SC協会の提言をもとに、社内検討からテナント説明、導入まで一貫して現場と経理部門が連携して進めた取り組みだ。
今回は、経理グループの岩谷さんと小瀧さんに、見直しの背景や導入までのプロセス、そして実際に運用を開始してからの変化について伺った。
(取材日:2025年6月16日)

株式会社西銀座デパート

総務部 経理グループ
グループ長
岩谷 一将氏

 

 

 

総務部 経理グループ
課長
小瀧 浩昭氏

 

NISHIGINZA(西銀座デパート)の概要

- 本題に入る前に、NISHIGINZA(西銀座デパート)での出店契約の形態、賃料形態、預り金管理の方法について教えてください
出店契約は原則として定期建物賃貸借契約です。賃料は歩合を含む形態がほとんどです。売上の預り金管理も当社で行っています。 

- NISHIGINZAのテナント数は
約60ショップです。そのうち、物販が45店舗、飲食が6店舗、サービスが10店舗です。

- 導入している決済の種類とポイント制度について教えてください
現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済、ギフト券が利用可能です。館独自のポイント制度は導入していません。

- 売上管理業務に関わる貴社の体制を教えてください
外部委託は行っておらず、自社の経理グループ社員3名で対応しています。ただし、繁忙期は他部署社員がサポートに入ることがあります。土・日・祝日は3名のうち1名が出勤し、精査業務を行っています。

- 売上報告から売上確定までの流れを教えてください
営業終了後、ショップスタッフがクレジット端末から売上報告を送信します。送信後、精算レシート、金券類、クレジット日計表、カード会社控え、売上報告送信レシートを専用封筒に入れて提出してもらいます。日報の提出は不要です。翌日、経理グループが提出書類およびデータの精査を実施します。報告項目見直し前は、精査の完了が15時頃になることが多い状況でした。

- 報告項目はどのように変わったのですか
変更前は27項目でした。そのうち11項目が金券関連で、券種ごとに報告していただいていました。変更後は「純売上」と「客数」を必須項目とし、「金券類(4項目)」および「免税売上」を発生時のみ報告するルールに改め、最大7項目になりました。

<変更後の売上報告項目>

【提出物】
必須:精算レシート、クレジットカード日計表
発生した場合のみ:クレジットカード会社控え、金券類(現物)

 

 

 

 

 

 

導入にあたっての経緯

- 売上報告の見直しに着手したきっかけを教えてください
2023年10月の組織改編により、売上金の管理から精算までを経理グループが担うこととなりました。あらためて、業務を棚卸する中で売上報告項目を簡素化できないか検討していた際、2022年5月発表のSC協会提言書を知り、見直しに着手しました。

- 社内での検討体制について教えてください
基本は経理グループ主導ですが、特にテナントリレーションを担う営業部門とも情報連携しながら進めました。

- 実現までのスケジュールを教えてください
2023年10月頃から効率化の検討に着手しました。2024年5月のSC協会DX委員会による「売上報告の効率化に向けた提言」や、同年9月の「売上報告勉強会」で得た知見を参考に削減項目を整理。同年11月に社内決裁を得ました。
2025年1月にテナント本部・店舗へ変更を通知し、2月にシステム改修、3月に店舗スタッフ向けマニュアルを配布、2025年4月から新ルールで運用を開始しました。

- 社内の理解を得るための工夫はありましたか
当社の「ESなくしてCSなし」という方針のもと、社内調整は比較的スムーズでした。ただし、広告・販促やリーシングに比べて、売上報告業務は客観的に作業内容が分かりづらいため、「業務フローと所要時間」「効率化の効果(当社・テナント双方)」を丁寧に説明することを意識しました。また、業界全体で効率化機運が高まっていたことも追い風となりました。

「業務フローと所要時間」「効率化の効果」をまとめた社内説明資料

 

- テナントとのやり取りについて教えてください
2025年1月にテナントおよび本部へ通知し、2月のテナント懇親会でも営業部門から改めて説明しました。

- テナントへの説明で特に注意した点はありますか
純売上の誤入力防止に特に注意しました。マニュアル作成時は各店舗の精算レシートをコピーし、「純売上」欄にマークを付けて配布しました。さらに端末画面上に「純売上(税抜売上)」と表示させ、誤って総売上を入力しないよう工夫しました。

純売上欄をマーキングした精算レシート

総売上の誤入力を防ぐため、入力画面の表示を
「純売上(税抜売上)」に変更

- テナントの反応はいかがでしたか
2025年3月に新マニュアルを配布した際、「業務が楽になる」との声が多数寄せられました。一方で「ここまで簡略化して大丈夫か」といった心配の声も一部ありました。

 

導入後の状況について

 テナントからはどのような声がありますか
レジや客数が多い店舗ほど効果が大きく、15分程度の時短につながるケースもあります。「退社時間が早くなった」「報告が楽になった」「心理的負担が減った」「新人教育が容易になった」といった前向きな意見を多くいただいています。

- ディベロッパー側では効率化が進みましたか
土日に1名体制で行う作業が約30%(約1.5時間)削減されました。これにより売上確定の完了時刻が15時頃から概ね正午までに早まりました。

- 新たな課題はありますか
導入初月の4月は報告誤りが約30件発生し、想定より多い結果でした。5月以降は十数件に減少していますが、今後はオペレーションの安定化が課題です。中長期的にはOCRなどの活用によるシステム面での精査自動化を検討しています。

- さらなる業務効率化への展望について教えてください
POS連携には強い関心があります。POS・CAT・売上管理システムの連携が進めば、効率化とES・CS向上の両立が実現できると考えています。ただし、単なるデジタル化で終わらせず、テナントとディベロッパー双方が削減された時間をどう活用するかを意識することが重要だと思います。

<編集後記>
売上報告の効率化というテーマは、テナント・ディベロッパー双方にとって共通の課題です。NISHIGINZAでは、まず社内の理解を得るために丁寧な情報共有を行い、次にテナントへの説明を実践的な形で進めるなど、「一方的な効率化」に留まらない取り組みが印象的でした。
「ESなくしてCSなし」という理念のもと、業務のシンプル化が単なる効率化に終わらず、働く人の満足度を高める一助となっていることがとても印象深かったです。

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