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神戸SC開発(株)

「ピオレ姫路」今春より営業時間を短縮 ―SCの社会政策として―

当協会では2016年定期総会にて「人材確保対策についての取組み」を発表し、ショッピングセンター(SC)業界全体の人材確保にあたっての課題解決の方向性と具体策を提案し、活用を促している。
JR西日本グループで9SCの管理運営を行う神戸SC開発(株)の「ピオレ姫路」(兵庫県姫路市)の本館およびヤング館(あわせて約120店舗)では、来る4月より営業時間短縮を予定している。代表取締役社長山田宗司氏に話を伺った。

―営業時間の短縮はDVが踏み切るかどうかしだい

人手不足、人材確保問題はESの最重要課題です。テナント(TN)においても時給アップや正社員化、インセンティブなどさまざまな対策を講じていますが、人材確保の厳しさは常態化が続いています。ディベロッパー(DV)としては、休憩室や社員食堂などのハード面、懇親会や社員旅行などソフト面、そして休館日や営業時間短縮など制度面が改善ポイントです。
とくに制度面は売上げに直結しますので実行に踏み切るのが躊躇されますが、ここを押えないと人材確保対策は進みません。休館日を増やすことも検討しましたが、実際は他の施設の店舗にヘルプで出勤している場合もあると聞きますので、通年で効果の出る営業時間の短縮に踏み切ったのです。

―綿密な準備とスピード感

営業時間の短縮を進めるにあたっては、①従業員満足度調査結果、②日本SC協会による「人材確保の取組み」の提言、③TNオーナーへのアンケート調査、④姫路エリアの事情を押さえ、綿密な準備を経て実現に至りました。①では営業時間の繰上げを求める回答が多い、③は営業時間の短縮についてTNオーナーの75%の賛同を得る、④は地方都市の事情でスタッフは自宅通勤者が多いことや大都市に比べて終電時間が早いなど交通事情が背景にありました。

実際、まずTNには2016年11月に開催したTNオーナー会に報告しました。また残り25%のTNオーナーについては、例外的に、個別対応になりました。一部大型テナントは、創業祭やロイヤルカスタマー向けのイベント開催期間は1時間の延長を行う予定です。また、例外については次の基準を設けました。
①1階でかつ外向きの店舗、②ワンフロア単位で設備管理ができる、③特定の創業祭、顧客向けのイベントです。その他5倍ポイントデーが年間20日(金土日パターンがベース)ありますが、そのうち金と土のみ21時閉店としました。新年度にあわせて4月1日開始予定です。

―前年対比ではなく、再出発として

当事案の実施にあたっては、売上げの影響度を2015年の売上げをもとに試算しています。元来ヤング館はリニューアル前は「ペリエ姫路」として20時閉館でした。ピオレに統合する際に21時まで延長しています。実際18時から20時の売上げと、18時から21時の売上げを比較すると0・8%増にすぎませんでした。これは今後、閉店時間の繰上げを周知徹底したり、日中の店舗のシフトを見直して昼の売上げを伸ばすなどして売り逃しを回避すれば、取り戻せると思います。回復には最短でも半年はかかるかと思います。
さらに先行して3月24日、ピオレヤング館に「H&M」が姫路に初出店し、売上げの底上げを図ります。これまで以上に地域住民に愛されるSCを目指すなら、店舗の販売スタッフの労働環境を改善することで館全体の活性化ひいては地域の雇用拡大に貢献していきたいです。

―イメージ醸成はDVの役目、TNへバトンを渡す

人材確保対策のための営業時間の短縮は、DVとしてはリスクを負う施策です。次はTNが改善を行って欲しい。やはり、両者が両軸でやらなければ効果が大きくならない。仮にこれをしても人材確保が難しい状況であれば、社会構造的な問題と言えるでしょう。DVの役目の1つには小売・販売のよいイメージをつくることもあります。ピオレ姫路の1年後の状況をみて、他のSCでの実施を検討する予定です。

第7回神戸SC開発ピオレ姫路

*内容は全て掲載当時のものです。
SC JAPAN TODAY 2017年3月号掲載
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