販売統計

SC販売統計調査報告 2003年05月

好ましからざる材料の続出に消費マインドも沈んだ △2.6%

売上高の概況

「ゴールテンウィーク」という絶好の好材を足場に売上回復が望まれていた 2003年5月のSC売上高は、前年同月比 △2.6% ’01年12月から18ヶ月連続のマイナス成長、沈滞ムードが漂った前月からさらに0.6ポイントもダウンし、大変厳しい状況となった。

これらを誘引した要因としては、「ゴールデンウィーク」とは言い難い休日の配列、日本上陸かと心配された「SARS騒動」、宮城県沖の大地震、38年ぶりの台風4号上陸<低温続きの天候不順等々冷え切った消費マインドを一層落ち込ます現象が期中に続出したことによるものと思われる。

立地別では、中・小都市中心地域、周辺地域はマイナス成長ながらも前月に比べて回復基調がみられるものの郊外地域の売上不振(△3.1% 前月比2.3ポイントダウン)が今期の成績に大きく影をおとした。

業態別では、テナント、キーテナントとも売上不振の深刻化が進むなかで特にキーテナントの落ち込み(△3.7% 前月比0.9ポイントダウン)が気に掛かる。 好ましからざる材料の続出が影響し主力商品の夏物衣料、生鮮食品、家庭用品が振るわずキーテナント全体に暗い影を投げかけた。

地域別に見てみると、今期のSC全体を物語るように全地域が水面下となっているなかで、新規SCの影響が未だ薄れず、北海道、九州・沖縄の両地区に依然大幅な売上不振状態がつづいているのに加えて、リニューアルの反動も含まれるものの北陸地区も△5.5%(前月比 3.2ポイントダウン)とかなりの売上不振状態に陥り先行きに不安感を募らせている。この状況から早期の「V」字回復が切望される。

今期は、プラス成長を記録したSC数は134SC(25.2% 6.1ポイントダウン 27SC減 )に留まり不振を極めた形となっているが、プラス成長を勝ち取った134SCが好成績を得た主たる要因として挙げた Best3は、①リニューアル効果(25SC) ②実施イベント奏効(23SC) ③テナント入店(19SC)となっている。

ここらあたりに、SCの売上回復策のヒントが見出せそうである。

次月6月は、「ワールドカップ」人気に客足を奪われ、売上伸長が今一歩伸び悩んだ昨年の成績を一気に挽回する絶好のチャンス、消費者行動が沈滞する「梅雨期」もSCにとっては好材の一つ、何事もプラス材料と捉え、SC全体が水面上に浮上する売上回復が望まれる。


*本調査は、2002年末までに開設された全国のSC2,615SCの中から立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し調査したものをまとめた。
*集計SC 535 SC 回収率53.5 % (集計対象SC数 531 SC)

SC・百貨店・チェーンストア 売上高前年対比
立地別・構成別 売上高伸長率
立地別・地域別 売上高伸長率

の各表はこちら


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