販売統計

SC販売統計調査報告 2003年03月

世界情勢の不確実性への不安感高まり 前年同月比 △1.9 %

売上高の概況

例年に比べて厳しい寒さが続いた冬が去り、気持ちも躍る春の訪れをきっかけに売上回復が期待されていた2003年3月のSC売上高は、その期待も空しく前年同月比 △ 1.9 % となった。月前半の天候不順でSC売上の主力をなす春物婦人衣料が振るわなかったことに加えて、月後半には米・英等によるイラク攻撃が始まるなど好ましからざる状況が続出し、前月の成績を0.7ポイント下回り先行きに不安感を漂わせる結果となっている。

立地・業態別では、どの立地ともマイナス成長を記録、テナントは前月より 0.9 ポイントダウンの △ 1.6 % キーテナントも 0.2 ポイントダウンの △ 2.3 % となって、枕を並べた形で今期の成績を象徴する様相を呈した。

地域別に見てみると、地域全体が不振状態に陥っているなかで中国地区が中心地域SCの健闘 (2.0% リニューアル効果等) を背景に0.8 % のプラス成長を記録しているのがひときわ光っている。一方で、北海道地区は話題のSCが3月前半にオープンしたことが影響し △ 10.6 % の2ケタ台の落ち込みを記録、北と南で一部明暗が際立った結果となっている。

都市規模別では、大都市地区SCのなかで、仙台市(0.3%)、千葉市(0.6%)、横浜市(1.7%)、川崎市(1.3%)、広島市(7.0%)地区のSCにプラス成長を記録する頑張りが見られている。ヤングの行動が活発化する春休み期間をターゲットとしたリニューアル、各種イベントやカードポイントキャンペーンセールの実施等々が奏効し、この好成績を引き出したようだ。他地区SCでも販促活動は日々、腐心怠りなく行なわれてはいるが、これらの地区SCの活動内容の吟味に今後の売上増進へのヒント(ポイント)が掴めそうだ。

不透明感が増すなか、今期はプラス成長を記録したSCは160SC (31.3%) と前月の190SC (37.7%) に比べて30SCの減少、シェアで6.4ポイントダウンしており、その結果が前月に比べて落ち込み幅が大きくなった原因であろう。

新年度がスタートする4月は、イラク情勢も収束し世界の経済情勢も落ち着きを取り戻すことが予想され、SC売上にも本当の春の訪れを期待したいが、日本経済に立直りの気配が未だ感じられないことに加えて各種社会保険料の負担増、SARSの影響等々消費者マインドを凍てつかすSCにとって好ましからざる材料の連続で、4月のSC売上も一層厳しい状況に直面することが予想されるが、この難局を乗り切るSCの頑張りが望まれる。


*本調査は、2002年末までに開設された全国のSC2,615SCの中から立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し調査したものをまとめた。
*集計SC 524 SC 回収率52.4 % (集計対象SC数 511 SC)

SC・百貨店・チェーンストア 売上高前年対比
立地別・構成別 売上高伸長率
立地別・地域別 売上高伸長率

の各表はこちら


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